家づくりコラム
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つなぎ融資とは?初心者にも分かりやすく解説|一本化の手順紹介
つなぎ融資は、住宅ローンと同じく住宅に関するローンですが、目的や仕組みが全く異なります。
住宅を購入する際には、住宅ローンが融資される前に着工金や上棟金、土地代金などを支払う必要があり、まとまった資金が必要です。
しかし、ほとんどの場合、住宅ローンの融資が始まる前にまとまった資金を現金で準備することは困難なため、つなぎ融資を利用します。
本記事では、つなぎ融資の概要や住宅ローンとの違い、利用の流れ、メリット・デメリットなどについて解説します。
【初心者向け】つなぎ融資とは?
つなぎ融資とは、住宅ローンの融資が開始されるまでの期間、一時的に資金を融資するものです。
住宅ローンとは別に契約する必要があるほか、住宅ローンの融資が決定しているという条件のもとでしか利用できません。また、つなぎ融資の使い道は「土地取得資金」や「建物建築資金」などに制限されており、上限が決まっていることもあります。
つなぎ融資を申し込むタイミング
つなぎ融資は、住宅ローンの融資が開始されるまでに必要な資金を融資する制度です。審査期間も発生するため、できるだけ早い段階で申し込まなければ、必要なときに融資を受けられないといった事態になりかねません。
そのため、住宅を建てることが決まった段階で早急に申し込みましょう。
住宅の建築に関するスケジュールによって具体的な期間は異なりますが、最初の支払いがある約2か月前を目途に考えることがおすすめです。
住宅ローンとの違い
住宅ローンとつなぎ融資の大きな違いは「融資が開始されるタイミング」です。
新築で住宅を建てるケースを考えると、住宅ローンは住宅の引き渡し時に融資が実行されます。
対するつなぎ融資は、引き渡し前の土地の購入や工事の着手金を支払いに利用します。
このように、住宅が完成するまでに利用するものが「つなぎ融資」、住宅が完成し引き渡してから利用するものが「住宅ローン」と認識してください。
つなぎ融資を利用する具体的な流れ
つなぎ融資を利用する流れを、具体的に1つずつ解説します。
必要な資金を確認
どの程度の資金が必要となるのかを、つなぎ融資を申し込む前に確認しておく必要があります。
融資を受ける資金には上限が設定されていることもあるため、事前の確認が重要です。
「いつ頃」「何に」「いくら」必要であるかといった各項目を、具体的に把握しておきましょう。そうすることで、つなぎ融資の申込をスムーズに進められます。
住宅ローンとつなぎ融資の申込
住宅ローンとつなぎ融資は、同時期に申し込むことをおすすめします。なぜなら、つなぎ融資は住宅ローンの融資が決定していない状態では利用できないためです。
つなぎ融資のほうが利用するタイミングが早いため、つなぎ融資だけ先に申し込むケースがあります。しかし、住宅ローンを契約していなければ、つなぎ融資の審査には通りません。
つなぎ融資を申し込む際は、既に住宅ローンを契約していると証明するため、2つを同時期に申し込みましょう。
審査・契約
つなぎ融資には審査があり、正式に契約を交わすタイミングは審査に通ったあとです。もちろん、審査に通らなければ融資は受けられません。
審査には「事前審査」と「本審査」が存在します。
事前審査に通った段階で融資を実行する銀行もあれば、本審査に通るまで融資を実行しない銀行もあり、形態はさまざまです。
ただし、審査の種類や審査基準については銀行ごとに異なるため、申込前に確認しておくことがおすすめです。
融資を受ける
契約が完了すれば、実際に融資を受けられます。ただ、融資の具体的な金額は住宅や金融機関によって異なります。融資を受けた資金は、主に以下の目的で利用可能です。
- 土地の購入費
- 工事の着手金
- 上棟金(住宅の骨格が見え始めた段階で支払う)
- 竣工金(住宅がほぼ完成した段階で支払う)
融資の返済
つなぎ融資を返済するタイミングは、住宅の引き渡しが完了し住宅ローンの融資が実行されるときです。つなぎ融資の返済は、住宅ローンの融資を利用して一括で返済します。
ただし、つなぎ融資で発生する利息は、住宅ローンの実行前に支払いを求められることがあります。つなぎ融資を受ける前に一括で前払いするケースと毎月支払うケースがあり、銀行によって異なるため、事前に確認することが必要です。
つなぎ融資が必要な場合
主に、注文住宅を新築する場合や中古物件をリノベーションする際に土地代や工事の着手金、中間金などの支払いに使用します。これらの費用は住宅ローンの融資が開始される前に現金で支払わなければならないため、多くのケースでつなぎ融資が必要となります。
注文住宅を新築する場合、土地代や工事の着手金、中間金などが必要です。ただし、すでに所有している土地に建築するのであれば土地代は発生しません。
その場合であっても、着手金と中間金にまとまった自己資金が必要なため、多くの場合でつなぎ融資が必要です。
中古物件をリノベーションする場合も、工事の着手金や中間金の支払いなどにつなぎ融資が利用されることが多くあります。
つなぎ融資が不要な場合
土地代や工事の着手金、中間金を現金で用意できる場合や、これらの費用が発生しない建売住宅やマンションを購入する場合は、つなぎ融資が不要です。
つなぎ融資は住宅ローンの融資開始前に必要となる資金を、現金でまかなうための融資です。土地代や工事の着手金、中間金を現金で支払えるのであれば、つなぎ融資を利用する必要はありません。
また、建売住宅やマンションの購入にもつなぎ融資は不要です。建売住宅やマンションは、既に建物が完成した状態の建物を購入します。そのため、土地購入費や工事の着手金が発生せず、必然的につなぎ融資を受ける必要もなくなります。
つなぎ融資を利用するメリット
住宅ローンとつなぎ融資は、目的や実行されるタイミングが異なるため、住宅ローンで補えない部分をつなぎ融資でカバーできます。
つなぎ融資の利用にはどのようなメリットがあるのかを解説します。
資金がなくても建築を進められる
住宅の引き渡し前に必要となる資金が十分にない状態でも建築を進められます。そのため、自己資金を準備する時間を割かずに済みます。また、時期を選ばずに住宅を購入したいタイミングで購入可能です。
つなぎ融資を利用すれば、引き渡しまでの期間に支払う費用はつなぎ融資の利息のみです。ただし、利息を支払う詳しいタイミングは銀行によって異なるため、事前に確認しましょう。
売却を待たずに新居を購入できる
現在の住宅を売却する前に新居を購入することを「買い先行型」といいます。
つなぎ融資で資金を用意すれば、自己資金を準備せず、現在の住宅を売却する前に新居を購入可能です。また、買い先行型は仮住まいを探す必要がなく、現在の住宅を空き家状態で売却できるなどのメリットがあります。
現在住んでいる住宅を売却し、売却によって出た利益で新居の購入を進める「売り先行型」は、売却が進まないかぎり新居の購入ができません。
つなぎ融資を利用するデメリット
つなぎ融資のデメリットは、以下の通りです。
- 金利が高い
- 手数料がかかる
- 「住宅ローン控除」の利用ができない
- 取扱いのない金融機関もある
つなぎ融資は無担保でも融資を受けられるため、住宅ローンと比較すると金利が高く設定されています。
住宅ローンの金利は1%前後であることがほとんどです。一方、つなぎ融資の金利は多くのケースで2~4%程度かかります。
ただし、手数料に関しては、つなぎ融資・住宅ローン共に同程度の手数料がかかるため、一概にデメリットとはいえません。
また、住宅ローンは一定の条件を満たすことで税額控除を受けられます。減税控除を受ける条件のひとつに「住宅が完成後6か月以内に住み始めている」ことが挙げられます。つなぎ融資は住宅が完成前に使用するため、条件を満たせず減税控除を受けられません。
さらに、つなぎ融資を取り扱っていない金融機関もあるため、事前に確認する必要があります。
つなぎ融資を利用する注意点
つなぎ融資を利用する際、限度額や回数制限が設定されています。ただし、金融機関によって詳しい額が異なるため、事前に確認することが重要です。
また、住宅の完成が遅れるとつなぎ融資の利用期間が延びてしまいます。事前に決められていた利用期間を過ぎて融資を受ける場合、利息額が増える可能性もあるため、工事の延長も予想しておきましょう。
つなぎ融資について理解して活用を検討
つなぎ融資は住宅ローンで補えない部分をカバーし、資金が十分にない状態でも住宅を購入できます。ただ、つなぎ融資を詳しく理解しないまま住宅購入を進めると、住宅を購入する機会を逃したり、利息に関する思わぬ損失を出したりする可能性があります。つなぎ融資の流れや目的を理解したうえで、利用を検討しましょう。
コラムニスト:アスタ住宅展示場モデルハウス 民法 翔太
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